更新日:2023年2月7日
こんにちは、ママレポーターの新田です。
令和3年度から、宗像市立学校ではタブレット端末PC(以下、タブレット端末)を活用した授業が行われるようになりました。
導入から約2年経過した今、学校ではどのように活用しているのでしょうか?
我が家の双子は来年から小学生ということもあり、「どんなタブレット端末がどのように授業で使われているのか?」と興味を持ちました。
今回は、宗像市教育委員会の末崎浩嗣先生と南郷小学校の大淵裕三子校長先生に話を伺いながら、小学校でのタブレット端末活用事情に迫ります。
宗像市から貸与されるタブレット端末について
宗像市では1人1台ずつPCが貸与されます
画面は360度折り曲がります
市町村によって貸与する端末はそれぞれ違うそうですが、宗像市ではChromebook(クロームブック)というタブレット端末を貸与しています。
重さは約1.3キロ。持ってみると思ったより重量感がありました。
タッチパネル機能もあるほか、画面は360度折り曲げてタブレット端末のようにして写真を撮ることも可能。私のパソコンよりはるかに高性能です!笑
宗像市からはタブレット端末のほか、googleアカウントも1人1アカウント貸与されるため、自宅のパソコンなどからもログインできます。
「なぜタブレット端末を導入したの?」市教育委員会の末崎先生に聞いてみました
子どもたちにこれからの時代に必要となる力を身に付けるためです。
コロナ禍で学習環境が変わったことも、タブレット端末を活用した学習の追い風となりました。1人1台貸与することによって、自分で調べたいことを調べ、まとめ、発信できるようになり、個々の興味関心に応じた学習を実現しやすい環境が整ったと思います。
思い返せば私が小学生だったころは、視聴覚室(パソコン室)で1グループにつき1台のパソコンを共有しながら交代で使っていましたが、皆さんはいかがでしたでしょうか。
1人に1台タブレット端末が行き渡ることで、自分が調べたいテーマについてスムーズに調べたり、発表したりすることができそうですね。
各学年での活用方法(南郷小学校の場合)
小学校の各学年では具体的にどのように活用しているのでしょうか。
授業内での活用方法について、低・中・高学年ごとに伺いました。
1・2年生の活用方法
1年生の5月ごろに「タブレット開き」が行われ、先生から1人ずつタブレット端末が手渡されます。
1年生で最初に学ぶのは、「タブレット端末」というものの存在を知ること。「ボタンを押しすぎたり、落としたりしたら壊れる」「電源はここを押す」など基本的なことを一から教えてもらいます。
また、「自分の家(タブレット端末)があって鍵(パスワード)がある」「鍵は1人1人違って、守らないといけないもの」という情報管理についての話も行われます。
基本を学んだ後に最初に使う機能は「カメラ機能」。朝顔の写真を撮って保存したり、以前のものと見比べて観察したり、先生が作ったフォルダに提出したりなど簡単な機能から始めます。
タブレット開きの様子。1人ずつ手渡しされます
先生に一から教えてもらいます
3・4年生の活用方法
社会や理科が始まることもあり、テーマに応じたものを調べたり、写真を撮って記録、資料にして提出したりすることも増えてきます。
体育では、反転させた動画を見ながらダンスの練習をしたり、マット運動の様子を友達に撮影してもらいフォームをチェックしたりすることも。
算数では、考えをまとめた子から自分のノートをカメラで撮影して先生に提出し、皆の考えを共有できるようにするなど様々な教科で活用するようになります。
体育の様子。動画を反転させてダンス練習
算数のノートを撮影してクラスで共有することも
5・6年生の活用方法
今までの活用方法を組み合わせながら目的に応じて使っていくほか、「ロイロノート」「ジャムボード」というアプリを使ってグループで共同編集も行うこともあります。
このほか、プログラミングの授業では論理的思考を学んだり、ビデオ会議アプリ「Meet」を使ってコミュニティスクール間でオンライン交流なども行われたりします。
プログラミング学習の様子
タブレット端末を使った交流の様子
ロイロノートとは?
ロイロノート・スクールとは、全国の小中高校・塾で導入されているクラウド型授業支援アプリです。
考えをまとめるため、文字・動画・写真、インターネット上の情報を記載した「カード」を作成することができます。
スクール内でつながっている端末で共有でき、簡単に視覚的なプレゼンを行うことが可能です。
ジャムボードとは?
オンライン上のホワイトボートのようなもので、googleアプリの1つです。
グループ内の誰かがログインして編集すると、他のメンバーのページにも反映されるため、同じ場所、同じ時間にいなくてもグループ内で資料を作成することができます。
学園内での学校間の交流について
宗像市では小中一貫教育を行っており、5年生のセカンドスクール(校外研修)、6年生の修学旅行(1日目のみ)では同じ中学に進学する小学校の子どもたちが一緒に活動を行います。
これまで、学校間で交流する時はバスで行き来していたのが、タブレット端末の導入により、気軽に交流できるようになりました。
文字入力について
1・2年生は音声か手書きで文字を入力します。1・2年生は手書きの力、漢字を覚えていく力も付けていく必要があるので、状況に応じて使い分けていきます。
3年生の2学期にローマ字の勉強が始まることもあり、この時期からローマ字入力をする子が増えてきます。
クラスによっては、タブレット端末内のタイピング練習アプリなどで練習することもありますが、入力方法には個人差があって方法は問わないので、3年生でローマ字入力をマスターしなくても心配いりません。
情報モラルについて
なりすましやコメントの仕方など、友達や周りの人を傷つけないための約束事はしっかりと学んでいきます。
また、ジャムボードなど皆で一緒に編集するものは、万が一データが全て消えてしまっても誰が消してしまったのか分かりません。「情報は皆のもので、作業には個々の責任も生じてくる」などといったことも授業を通して伝えていきます。
今年度、情報モラルについてのカリキュラムを作ったので、来年度からは学年ごとに本格的に学んでいく予定です。
(活用方法は一例で、各学校、学年、学級ごとにも異なります)
家庭ではどんな準備をすればいいですか?
家に持ち帰るときのために、自宅でwifi設定の確認をお願いすることもありますが、タブレット端末に関することは特に準備しなくても大丈夫です。あいさつや整理整頓、時間を守るなどの基本的なことが、タブレット端末を使う時にも大事になってきます。
小さいころからタブレット端末を無制限に使わせてしまうと、生活習慣の乱れ、健康面への影響もあるので、家庭で無理して使わせていく必要はありません。
「情報モラル」についてのニュースなどを見かけた時は、家でお子さんと一緒に話したり考えたりするのも良いかと思います。
導入して約2年。子どもの変化やこれからの課題などはありますか?
子どもたちは思った以上にタブレット端末を使いこなしており、逆にこちらが教えてもらうこともあります。アンケート調査によると、「タブレット端末が勉強に役に立っている」と感じている子どもたちも多いです。
これまでは、タブレット端末が使えるようになることを重視してきましたが、状況によっては「あえてタブレット端末は使わない」という選択肢があることも分かってきました。
タブレット端末は「文房具」の1つ。今後は鉛筆や消しゴムと同じように目的に応じて使い分け、使いこなす力を高めることができるようにしていきたいと思います。
大型モニターorプロジェクターの導入で、より効果的に活用!
今年度より、市立学校の全クラスに大型モニターもしくはプロジェクターが導入されました。
タブレット端末上でも発表資料の共有は可能ですが、大型モニター・プロジェクターの導入で、より大画面で共有できるようになります。
資料を教室の前方に大きく映し出すことで、話し手の動きを含めた発表を見ることができますし、子どもの視線を1点に集中させることで、理解度が上がるという利点もあるそうです。
大型モニター・プロジェクターと連動させてタブレット端末を使うことで、より効果的に活用できそうですね。
大型モニターを使った理科の授業の様子
プロジェクターを使った理科の授業の様子
今回は、タブレット端末を活用している授業の様子について実例なども交えて教えていただきました。私が想像していた以上にどの教科でも日常的に使っていることが分かり、取材中「へぇー!!」「すごいですね!!」と何度声を上げたことか・・・本当に驚きの連続でした。
中でも、一番印象に残ったのは「タブレット端末は文房具」という言葉です。
「タブレット端末」と聞くと、「特別なもの」というように構えてしまっていましたが、そう思っているのはきっと親だけで、現在すでにタブレット端末を活用している子どもたちや、これから入学する我が子たちにとっては「当たり前のようにある、便利な文房具の1つ」になっていくのでしょうね。
わが子も小学校に上がったら、タブレット端末の話を聞ける日が来るのが楽しみです。
(レポートは原文のままで掲載しています)
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