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「災害は当たり前を奪っていくもの・・・」日の里中で東日本大震災語り部講話を実施~7月27日レポート~

更新日:2022年7月27日

こんにちは、ママパパレポーターのキミです。
今回も前回に引き続き、防災についての話題をご紹介。6月20日、日の里中学校で9年生を対象とした防災学習がスタートしました。

9月10日まで全35時間の総合的な防災学習が予定されていて、この日が初回開催。9年生100人と日の里地区の住民のみなさんが参加し、南三陸町とオンラインでつないだ震災語り部講話が行われました。
今回はその様子をレポートします!

 

9年生が中心となった体育祭。日の里地区のリーダーを自覚するきっかけにしてほしい

昨年度、9年生を対象に始まった日の里中学校の防災学習。残念ながら昨年度はコロナの影響で中止になってしまいましたが、今年度ようやく開催の運びとなりました。6月20日から9月10日にかけ全35時間の学習が計画されていて、最終日には9年生を中心とした避難訓練も実施される予定です。

初回のこの日、最初にプロジェクターに映し出されたのは5月に行われた体育祭の様子。日の里学園の最高学年として、9年生が中心となり体育祭を盛り上げました。
防災授業の始めに体育祭の様子を見せたのには理由があり、リーダーシップを発揮する姿を振り返ることで、日の里地区のリーダーとしての役割も自覚してほしいからです。

日の里地区は高齢化が進んでいる上、昼間の時間は多くの高校生、大学生、働き盛りの大人が学校や仕事で日の里地区を不在にしています。日の里に残っている多くは高齢者、小学生、未就学児、中学生が多いという状況。「そんなときにもし災害が起きたら・・・」日の里学園の最高学年である9年生は、リーダーとして住民をまとめる大事な役割を担っているというわけです。

体育祭の様子を見る9年生。日の里のリーダーとしての自覚を持つきっかけにしたいそう

体育祭の様子を見る9年生
日の里のリーダーとしての自覚を持つきっかけにしたいそう

 

東日本大震災では、多くの中学生が地域のリーダーとして避難活動をサポート

いよいよ南三陸とオンラインでつなぎ、震災語り部講話が始まりました。
講話を行ったのは南三陸町観光協会職員の阿部悠斗(ゆうと)さん。2011年の東日本大震災を被災した当事者として、震災の語り部活動を行っています。

震災当時、阿部さんは中学2年生。翌日に予定していた卒業式のため、歌津中学校の体育館で準備をしていたところ、地震に見舞われました。立っていられないほどの揺れが続き、その場でうずくまり身を守りました。
地震が収まってしばらくすると、今度は防災無線で「津波がきます!高台に避難してください!」と警報が。幸いなことに歌津中学校は高台にあったため、先生や同級生たちと一緒に高齢者や小学生、未就学児の避難を手助けしました。

南三陸町では、多くの中学生が地域のリーダーとして地域住民の避難をサポートしたそうで、避難後の避難所の運営でも、食料の配布や環境づくりなど力を発揮しました。

  • 阿部悠斗さんとオンラインでつなぎ、東日本大震災の被災体験を聞きました
    阿部悠斗さんとオンラインでつなぎ、東日本大震災の被災体験を聞きました
  • 被災者の話はとてもリアル。真剣な顔で聞き入っています
    被災者の話はとてもリアル。真剣な顔で聞き入っています

 

避難生活の中で気づいた食事の大切さ。日頃から食料の備蓄を心がけて!

阿部さんの両親、2人の妹、祖母も全員無事でした。しかし、思い出の詰まった自宅は津波に流されて、自宅がすっかり無くなってしまった光景は想像を絶するものだったそう。

震災後の5日間は、歌津中学校の体育館で過ごしました。その後、住んでいた町の集会所に移り、約2カ月間の避難所生活を送ることに。川で洗濯したり、山の水でご飯を炊いたり、まるで昔話のような生活だったと振り返ります。不便な生活を送ることで、家族の大切さ、自宅があることのありがたみを改めて痛感した阿部さんは、「災害は当たり前を壊していくものなんです」と強く訴えかけます。

つらい避難生活の中で、唯一笑顔になれる瞬間がありました。それは、食事の時間。山盛りのごはん、蒸かしたさつまいも、温かい味噌汁。とてもシンプルなものですが、「こんなにおいしいかったんだ!」と感動を覚えたそう。「食事は人を笑顔にしてくれます。食料の備蓄を日頃から心がけてみてください」と阿部さん。災害は誰にでも起こるものだから、備えられることはしっかり対策してほしいと語りました。

  • 跡形もなく流されてしまった自宅の写真。津波の怖さを物語ります
    跡形もなく流されてしまった自宅の写真。津波の怖さを物語ります
  • 9年生から阿部さんへ質問タイムもありました
    9年生から阿部さんへ質問タイムもありました

 

  • 備蓄の大切さを痛感!
    備蓄の大切さを痛感!
  • 最近は便利でおいしい防災食も販売されているそう
    最近は便利でおいしい防災食も販売されているそう

 

求む!日の里消防団を担う若い力!副団長からラブコール!?

講話の後は、日の里消防団副団長の安山宏明さんから日の里地区の防災の話がありました。
日の里消防団は現在24人が所属しており、その多くが50代以上と高齢化が問題になってきているそう。次世代の消防団を担う若い人材を求め、9年生の今後のリーダーシップに期待したいと呼びかけました。

他にも、「日の里で災害が起きたらどのような行動をとればいいか」「指定避難所はどこか、避難所運営はどうするか」など具体的な防災対策も語られました。未来の消防団に、9年生がメンバーとして加入する日が来るかもしれませんね!

安山さんから、日の里地区の現状や課題についてお話しがありました

安山さんから日の里地区の現状や課題についてお話しがありました

 

9年生の3人に防災学習の感想を聞きました!

左から朝倉さん、渡部さん、赤星さん 

左から朝倉さん、渡部さん、赤星さん

 

朝倉俊介(あさくら・しゅんすけ)さん

語り部の阿部さんの話を聞いて、あらためて災害について知ることができました。備蓄はしているけどまだ足りない部分もあるので、今からできることをやりたいと思います。避難所の確認もしておこうと思いました!

渡部結翔(わたなべ・ゆいと)さん

自然災害は想像していた以上のことが起こるんだと分かりました。僕たちができることをしっかり考えていきたいと思います!

赤星翔斗(あかほし・はやと)さん

非日常を経験することで、当たり前のことが当たり前じゃなくなるんだと衝撃を受けました。日頃から備える大切さを学びました。

(レポートは原文のままで掲載しています)

 

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