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「頑張らない」がコツ!ママの心が軽くなる子育てセミナーに参加~10月24日レポート~

更新日:2022年10月24日

こんにちは、ママパパレポーターのキミです。
今回は9月13日にメイトム宗像・結工房で開催された、宗像市男女共同参画推進センターゆい主催の「ママの心が軽くなる子育てセミナー」の様子をご紹介します。
ママを対象にしたセミナーでしたが、パパや祖父母世代の方にも聞いてもらいたい内容が満載でした!ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

参加者は子育て中のママ。同じ境遇だからこそ共感し、話が盛り上がりました!

セミナーには宗像市在住の子育て中のママ11人が参加しました。講師を務めたのは西日本短期大学教授の冨永明子先生です。
自身が子育て中に経験した体験談などを交え、ママたちを取り巻く問題から気持ちが楽になるコツやアドバイスまで盛りだくさんに教えてくださいました。

同じ境遇のママたちだからこそ共感できる面も多く、参加者同士で意見を交換するときは話し足りないくらいに!
私も改めて自分自身の家族の在り方や子育ての価値観を振り返るきっかけにもなりました。

 

講師の冨永明子先生

講師の冨永明子先生

西日本短期大学保育学科学科長、教授。臨床心理士、公認心理士、フェミニストカウンセラー。
本業の傍ら、自身の経験をもとに女性問題や引きこもり、アサーティブトレーニングなど多岐に渡る講演を行われています。

  • アサーティブトレーニング:自分の意見を適切に伝えられるようにトレーニングする方法

 

参加者同士で話し合う時間も

同じ境遇だからこそ共感する部分も多く、気持ちを吐き出したり、共有したりすることがストレス発散の一つだと感じました!

 

「良い母親」って何?祖父母世代前から続く言説に縛らているのかも!?

最初に冨永先生が参加者に問いかけたのは、下記のチェックリスト。
まずは自分で回答し、その後、参加者同士で思いを語り合いました。みなさんもやってみてください。

チェックリスト

 

みなさん結果はいかがですか?私はというと、自分自身の考えはほぼ当てはまりませんでした。
一方、すべての項目で、ニュアンスの違いはあるものの周囲から言われたことがあると感じました。
ペアになった参加者さんとも意見を交換しましたが、やはり同じように周囲から言われたことがあるとか。

このチェックリストが意味するのは、もちろん良い母の条件ではありません。これは祖父母世代より前から言われてきた「良い母とはこういうものだ」という俗説や言説で、いまだに信じられていたり、囚われていたりする人も多いんだとか。
確かに私も当てはまるものはないと答えたものの、「スーパーで総菜を買っているところを見られたらどうしよう」とか、「母親だから休みの日も早く起きないと(夫はゆっくり寝ているのに!!)」とか、理想の母親像に縛られている面も・・・。

夫婦で子育てをするものだと頭では分かっていたのに、そういった言説に触れることで、知らないうちに私自身もジェンダーバイアスを持っていたことに気づかされました。

  • ジェンダーバイアス:人や社会が無意識に性差や男女の役割についての思い込みや偏見

 

50年以上前に生まれた言説「母性神話」「3歳児神話」。今でもママたちを苦しめている現実が・・・

次のテーマは「母性神話」と「3歳児神話」。聞いたことがある方も多いのでは?
「母性神話」とは母親なら子ども第一に尽くすもので、すべての女性にはそのような母性が初めから備わっているという言説です。
「3歳児神話」は、子どもが3歳になるまでは母親が専念して子育てするべきという考え方。

もちろん、この言説に根拠はなく、むしろ弊害の方が問題とされています。それなのになぜこのような言説が広がり、信じられるようになったのでしょうか?
その背景も冨永先生が教えてくださいました。

時代は1955年からの高度経済成長期。国を挙げて経済成長を進めるため、「男性は仕事。女性は家事・育児を担う」という性別役割分業が謳われるようになりました。
「母性神話」や「3歳児神話」はこの性別役割分業を推し進めるのに好都合だったというわけです。TV番組やCMでもそのような理想の母親像が描かれ、一般にも浸透していきました。

 

時代は進み、共働き世帯が主流に

共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移

  • 共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移(内閣府男女共同参画局令和4年版男女共同白書より)

しかし時代は進み、男女雇用機会均等法も制定され、バブル崩壊後は男性の収入だけでは生計が成り立たない状況も多くなったことで、共働き世帯が増加していきました。
そして現在、専業主婦世帯は458万世代、共働き世代は1177万世帯と母親が働いている家庭の方が主流となっています。

 

未だ国内の男女格差は大きな課題になっています

2021年のジェンダーギャップ(男女格差)指数の主な国の順位

  • 2021年のジェンダーギャップ(男女格差)指数の主な国の順位(内閣府男女共同参画局「共同参画」2021年5月号より)

共働きが主流とはいっても父親と同じようにフルタイムで働いている母親は少なく、パートで働きながら子育ての主力を担っています。

2021年の各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数においても、日本は156か国中120位。
これは先進国の中で最低レベルで、アジア諸国の中でも韓国、中国、ASEAN諸国よりも低い結果です。

高度経済成長期に生まれた「母性神話」「3歳児神話」といった言説が、今でも子育てママたちを苦しめているという現実を知りました。

 

子育ては単なる世話じゃない!自分自身が輝いている姿を見せることも大事な役割の一つ

最後に、子育てママたちの気持ちが楽になるヒントを、ウィニコットの理論を参考に話してくださいました。

ウィニコットの考え方では、特別な事情を除いて多くの赤ちゃんは3歳までに必要最低限の生きるスキルを身に付けるそうです。
生まれた頃はほとんどの身の回りの世話が必要だった赤ちゃんも、3歳ごろにはほぼ手をかける必要がなくなると考えています(もちろん個々の特性による違いはあります)。
逆に世話をしすぎることで、子ども自身の成長の妨げになるとも言っています。親は年齢に合わせた適切な世話をし、子どもが自分で自分の世話ができる部分は手放して、見守ることも大事なんだそう。

子どもが成長するにつれて親の世話を減らすことで、空いた時間とエネルギーが生まれます。
それを自分自身に使うことで、キャリアや趣味など親自身も成長することができます。
直接的に子どもと関わり続けることだけが子育てではなく、親が自分の人生に向き合い、仕事や趣味に一生懸命になって輝く姿を見せることも親の大事な役割だと冨永先生。

子育ては単なる身の回りの世話やしつけにとどまらず、成長を見守り、自分自身の考え方や生きる姿勢を示していくことが大切だと学びました。

リスコットによる子育てにおける分量を示した図

  • ウィニコットの考えをもとにした子育てにおける分量を示した図 

3歳になる頃には、保護者が世話をする分量はほぼゼロに。この空いた時間を自分自身のために使うことが大事なんだとか。

 

参加者に感想を聞きました!

2歳と第二子妊娠中のママ(30歳代)

上の子がイヤイヤ期で、参考になればと参加しました。託児が無料でついていたので、久しぶりに一人の時間もできリフレッシュできました。
自分では見えていなかった視点で、子育てを考えるきっかけにも。先生がとても楽しくお話ししてくださったので、時間があっという間でした。

3歳、5歳のママ(30歳代)

夫が単身赴任中で、一人で子育てをしています。頑張りすぎていたので、肩の力を抜くヒントがもらえればと参加しました。
子どもの成長を見守ることも大事だという言葉が心に残りました。これからは自分自身がハッピーであることも、子どもたちに見せていけたらと思います。

 

講座を終えて

子育てママを取り巻く環境は変化してきたとはいえ、まだまだ過去の常識にとらわれている社会や自分自身がいることに気づかされました。
この講座がママ向けであることも、女性が子育ての主を担っているという現実を物語っているかもしれません。

もちろん子育てを主軸にしたいママがいても、それもまた尊重されるべきだと思います。自分らしい子育ては、子育てをする人の数だけあるものかもしれません。
男性、女性にこだわるのではなく、それぞれの家庭が自分たちらしい子育ての形を選択できる時代になるために、私に何ができるのかを考え、行動にしていきたいと思いました。

 

(レポートは原文のままで掲載しています)

 

 

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