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特定施設・特定事業場について

最終更新日:
(ID:2036)

1.特定施設とは

公共下水道は、一般家庭や工場・事業場の排水を受け入れ下水処理場で微生物の働きなどによってきれいな水にして河川や海へ還しています。

しかし、排水の中には下水道施設に悪影響を与える物質が含まれていることがあります。

そこで、排水の水質基準を下水道法・下水道条例で規制しています。特に水質の規制が必要な施設として法令で特別に指定された施設を特定施設といいます。

 

下水道法では、次の2種類が特定施設です(下水道法第11条の2)。この特定施設を有する工場・事業場を『特定事業場』といいます。

(1)水質汚濁防止法に規定する特定施設

        人の健康を害するおそれのあるもの、又は生活環境に対して害をもたらすおそれのあるものを含んだ
      水を流す施設で、水質汚濁防止法施行令で定められています。

 (2)ダイオキシン類対策特別措置法に規定する水質基準対象施設

       ダイオキシン類を含む汚水又は廃液を排出する施設で、ダイオキシン類対策特別措置法施行令で定められています。

特定施設の主なもの

  • 弁当仕出屋、飲食店、料亭などのちゅう房施設
  • 300以上の病床数を有する病院のちゅう房施設など
  • 畜産食料品・水産食料品製造業の原料処理施設など
  • クリーニング工場の洗浄施設
  • めん類・あん・豆腐等の工場の湯煮施設など
  • 洗車場・ガソリンスタンドなどの自動式車両洗浄施設
  • 野菜を原料とする保存食料品製造業の原料処理施設など
  • 印刷工場などの現像洗浄施設など
  • 研究・試験・検査事業場の洗浄施設など
  • 廃PCB等・PCB汚染物・PCB処理物の焼却施設

このほかに他業種にわたって、種々の施設が「水質汚濁防止法」・「ダイオキシン類対策特別措置法」により、特定施設に指定されています。
文末の「関連ファイル」:特定施設一覧をご覧ください。

 

2.特定事業場の行う届出

特定施設を設置している事業場、あるいは特定施設を設置しようとする事業場は、公共下水道を使用する場合、公共下水道使用開始届に加え、次の区分に従って届出が必要になります。

届出の種類

届出の種類

届出の内容

届出の期限

特定施設設置届出書

公共下水道を使用している者が特定施設を新設する場合

 (法第12条の3第1項)

  1. 氏名、名称、住所
     (法人の場合は代表者名)
  2.  工場または事業場の名称及び所在地
  3.  特定施設の種類
  4.  特定施設の構造
  5.  特定施設の使用方法
  6.  特定施設から排出される汚水の処理方法
  7. 公共下水道に排除される下水の量及び

水質その他の国土交通省令で定める事項

特定施設の設置に関わる工事着手の60日前まで

特定施設使用届出書

公共下水道を使用している者で既設の施設が特定施設に追加された場合

(法第12条の3第2項)

特定施設となった日から30日以内

特定施設を設置している者が公共下水道の使用を開始する場合

 (法第12条の3第3項)

公共下水道の使用開始日から30日以内

特定施設

構造変更届書

上記の届出のうち4から7について内容を変更する場合

 (法第12条の4)

1から7及び変更内容についてその前後が

比較できる書類、図面

構造等の変更に関する工事着手の60日前まで

氏名変更等届出書

上記の届出のうち1、2について内容を変更する場合

 (法第12条の7)

変更内容等

変更した日から30日以内

特定施設

 使用廃止届出書

特定施設の使用を全て廃止した場合

 (法第12条の7)

使用廃止の年月日等

廃止した日から30日以内

特定施設

承継届出書

上記の届出をした者から、その地位を承継した場合

 (法第12条の8第3項)

承継の年月日等

承継した日から30日以内

特定施設(設置・使用・構造変更)届出書については、文末の「関連ファイル」:特定施設(設置・使用・構造変更)届出書、別紙等を使用ください。
それ以外の届出の様式は下水道課にてお受け取りください.
 

3.水質検査の義務(下水道法第12条の12、下水道法施行規則第15条)

下水道を継続して使用する特定施設の設置者は、下水の水質を測定し、その結果を記録しておかなければなりません。

(水質の測定等)下水道法施行規則第15条

項目

内容

備考

測定方法

「下水の水質の検定方法に関する省令」に規定する検定方法による

水質分析機関にお問合わせください。

採水時刻

水質が最も悪いと推定される時刻

操業状態や処理の状況等を考慮してください。

採水場所

下水道への排出口ごとに、下水道に流入する直前で、他の排水による影響の及ばない場所で、水深の中層部で採取すること

できるだけ、し尿や生活排水の影響の少ない場所を選んでください。

測定回数

  • 温度または水素イオン濃度(pH)
    排水の期間中1日1回以上
  • 生物化学的酸素要求量(BOD)
    14日を超えない排水の期間ごとに1回以上
  • ダイオキシン類
    1年を超えない排水の期間ごとに1回以上
  • その他の測定項目
    7日を超えない排水の期間ごとに1回以上
「下水道法施行規則第15条」及び「下水の水質の検定方法等に関する省令」を参照し、水質測定を行ってください。

記録の方法

水質測定記録表(下水道法施行規則様式第13)に記録し、その記録を5年間保存すること

(注)公共下水道施設を適正に管理するため、必要に応じて水質測定結果や除害施設(処理施設)の維持管理状況の報告を求める場合があります(下水道法第三十九条の二)。
水質・検査様式等については、文末の「関連ファイル」:「特定施設・除害施設からの水質規制及び検査義務について」をご覧ください。

4.除害施設(処理施設)の維持管理について

  除害施設を設置し排水処理を行っている場合は、日常の点検や整備(各設備の保守・点検、流量、処理薬品の添加量、汚泥引抜き陵の調整等)をとおして、適切な処理を行い、下水排除基準を保ってください。

  運転管理責任者を定めて管理責任体制を明確にし、運転日報・月報を作成し、点検整備を行う等、適切な処理が行われるよう心がけてください。

 

5.立入検査について(下水道法第13条)

公共下水道の機能及び構造を保全し、下水処理場からの放流水の水質を適正に保つために、排水量の多い事業場や有害物質を排出するおそれのある事業場に立ち入り、排水設備、特定施設、除害施設、その他の物件を検査できることになっています。

その際、排水設備、特定施設、除害施設の稼働状況や下水の水質等の検査を実施し、必要に応じて施設の運転方法の変更や改善等を命じる場合があります。

6.罰則等について

特定事業所(特定施設を設置する事業所・工場)からの下水が、水質基準を超えたり、測量義務を怠った場合、直罰規定(違法行為があった場合に、行政指導や行政命令を出して自主的な改善を促すといった過程を経ることなく、即時に罰則を適用することを定めた規定)が適用されます。

罰則[直罰]

  • 特定事業場からの下水の排除の制限:下水道法第12条の2
    規定に違反…罰則規定:下水道法第46条の2
  • 水質の測定義務等下水道法第12条の12(同施行規則第15条)
    規定の記録をしない、虚偽の記録…罰則規定:下水道法第49条
  • 報告の徴収下水道法第39条の2
    規定の報告をしない、虚偽の報告…罰則規定:下水道法第49条
  • 排水設備等の検査:下水道法第13条
    検査を拒み、妨げ、又は忌避した者…罰則規定:下水道法第49条
  • 特定施設の設置等の届出、他:下水道法第12条の3、4、
    届出を行わない…罰則規定:下水道法第47条の2、49条など

計画変更命令

特定施設の設置届出や構造等の変更届出について、その届出内容では排除基準を守れないと認められる場合は、設置等の計画変更命令、あるいは計画の廃止命令が出されることがあります。

改善命令等

特定事業場からの下水の水質が、排除基準を超えるおそれのある場合は、施設の改善を命じられたり、施設の使用や下水の排除の停止を命じられることがあります。

  • 改善命令等・・・下水道法第37条の2=命令に違反・・・罰則規定:下水道法第46条
  • 措置命令等・・・下水道法第38条命令に違反・・・罰則規定:下水道法第46条
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