みんなで笑顔に!「親子関係がぐ~んとよくなる子育てのコツ」講演会~4月3日レポート~ 最終更新日:2024年4月3日 (ID:2809) 印刷 こんにちは、ソラママレポーターです。子育てをしていると、いつも機嫌良く笑顔でいることは難しいですよね。宗像市広報紙で、親子のコミュニケーションのコツを学ぶことができる家庭教育学級の講演会の記事を見つけ、参加してみることにしました。講演会は、宗像市役所で2月3日に開催され、47人が参加。子育て世代のほか、先生や子育てサークル、ボランティアと幅広い方々が見られました。子ども連れで参加するもよし、託児を利用するもよし、臨機応変に対応してくださってありがたかったです。 市役所の広い会場で行われました 講師は市民活動団体パパママ応援・ネットワークの藤木有理さん 笑顔の素敵な藤木さん 同団体の副代表である藤木さんは、素敵な笑顔が印象的な方。講演会でも明るい雰囲気作りをしてくれて、楽しく受講することができました。藤木さんは、2人のお子さんを育てながら療育施設で働くワーキングマザー。長男が2歳の時に自閉症だと分かり、児童発達支援の勉強も始め、2019年に「発達支援ルームらいく宗像店」に入社しました。仕事や活動の中で様々な方と出会い、「子どもを支援する場所はたくさんあるけれど、保護者や家族をサポートしてくれる場も必要だ」と考え、令和4年に「市民活動団体パパママ応援ネットワークいろり」を設立したそうです。 ペアレントトレーニングとは 「いろり」では、全4回の「ペアレントトレーニング」を、年間3クール実施。子育てをする中で、「なんだか育てにくい」「ついつい怒ってしまう」「どうすればいいか分からない。孤独に感じる」と悩んでいる方はいませんか?私もその1人で、そんな保護者の方々が子どもと上手く関われるようトレーニングしてくれます。以下のような効果が期待できますので、興味のある方は、ぜひ受講してみてくださいね。 ペアレントトレーニングで期待できる効果 子どもの行動への理解が深まる 子どもの自信や達成感が高まる 親も自信がついて気持ちが安定する 講演会で紹介された、親子関係を良好にするポイントをいくつか紹介 子どもの自主性を育てる 子どもの成長にはいくつかの段階があり、中でも10歳以降の「思春期」は「自立したい自分」と「親に構って欲しい自分」が共存するストレスフルな時期です。この時期に、自分なりに考えたり問題を解決したりする力を身につけることが、長い人生において重要になります。親はつい先回りして口を出してしまいがちですが、本人に経験させることが大切。干渉しすぎると、子どもの芽を摘んでしまったり、「自分でしなくていいんだ」と意欲を削ぐことになりかねません。離れて見守り、それまでの「寄り添う」から「見守る」にシフトチェンジしましょう。 問題行動ではなく、好ましい行動に目を向ける 子どもが問題行動を繰り返して悩んだことはないですか?子どもの行動の前には、全て子どもなりの理由があります。例えば、子どもが突然カンを投げたとすると、すぐに「投げたらダメやろ!」と叱る前に、一度立ち止まって「なぜ投げたのか?」と考えることです。「子どもなりの理由」にまずは耳を傾け、受容してあげることで子どもは安心します。頭ごなしに叱ると、子どもは「自分は認めてもらえない」と感じ、自信の喪失から意欲の低下となり、子どもの反抗が起こりやすくなります。親もイライラし、そんな自分に落ち込む。子どもがまた問題行動を起こすという悪循環ができてしまいます。そこで、子どもの“行動”を変えるために大きな力を発揮するのが「注目のパワー」です。“注目”には、“肯定的注目”と“否定的注目”の2種類があります。日頃から子どもを客観的に観察し、問題行動よりも好ましい行動に目を向けて褒めるようにしてみましょう。子どもは褒められることで自信を持ち、問題行動が減って褒められた行動を積極的にするようになってきます。これにより、親の心にも余裕が生まれ、より子どもを客観的に観察しやすくなるという好循環がつくられます。 褒め方にもコツがある 子どもが上手くできた時などに、「能力」や「結果」を評価すると結果ばかりを気にしてしまう子になるといわれています。本人の努力やそれまでの過程などに目を向け、子どもの好ましい“行動”に声を掛けることが大切です。 計画的無視 子どもの問題行動を減らすには、「計画的無視」という方法があります。これは子ども本人を無視するのではなく、短所や出来ていない点を見ないようにすることです。否定的な注目(叱る・怒った表情をする)をせず、子どもが「泣いてもダメなんだ」と受け入れるまで毅然とした態度で待ちましょう。 そして、好ましい行動が出てきたら、すかさず“褒める”。“無視”のあとには必ず“褒める”が続くことがセットです。“無視しっぱなし”にならないよう気を付けましょう。 指示の出し方、言葉選びに気を付けよう 子どもに指示を出すとき、「子どもにとって本当に分かりやすい言葉なのか?」ともう一度考えてみましょう。大人の「ちょっと」と子どもの「ちょっと」は違います。例えば、「もうちょっとしたら出発しようね」ではなく、「時計の長い針が5になったら出発しようね」など、具体的な表現を使うと伝わりやすくなります。 ペナルティー 子どもに警告しても聞かなかった場合、ペナルティーを作るのもいいでしょう。例えば、「10分間ボールを取り上げる」→「10分後に渡してまた遊ばせる」というように、「子どもにとってやり直しがきく」「短期間で出来る」「ペナルティー後はきちんと水に流す」などルールを決めてペナルティーを与えると効果的です。とは言え、これまでにお伝えした「褒める」「計画的無視」「指示」の組み合わせで対応するのが理想的です。 講師・藤木さんの声 「褒めて育てる」というのは、「すごい!」「天才やね!」と言って「褒めて調子に乗らせる」ことではありません。子どもが頑張って行動したことに「気付いているよ」「認めているよ」と直接伝えることが大切です。今回の講演会をきっかけに、地域の方にも共有していただけると本当にうれしいです。 さいごに 藤木さんは、「普段から子どもと向き合い、良い所を褒めることが大切。あくまで、親子間の信頼関係ができている前提で『ペナルティー』『計画的無視』があります」と言われていました。私自身、もう少し子どもの様子をじっくり観察するところから始めてみようと思います。つい「○○しないで!」と怒りたくなることでも、一旦「なんでこんなことをしているんだろう?何を考えているんだろう?」と立ち止まること。また、子どもの悪い行動や短所に注目が行きがちなので、好ましい行動に注目するよう意識し、小さなことでも褒めること。これにより、子どもの好ましい行動が増え、子どもや私自身の心の安定につながればといいなと思います。 家庭教育学級の講演会に参加しよう 市の教育委員会が主催する家庭教育学級の講演会。地域の方向けに、年に2回、幼稚園やコミセンで行われています。5月には、PTAや子育てサロンの参加者を対象に説明会もありますので、ぜひお気軽に参加してみてください。子育てに関するいろいろな考え方に触れ、新たな発見があるかもしれません。 (表記はレポーターの表現を優先しています)