今月のむむっ!「家族のケアを子どもがしているヤングケアラーを知っていますか?」 最終更新日:2024年4月26日 (ID:2931) 印刷 市では昨年度、子ども家庭センターを開設し、子どもや家庭に関する相談機能を強化しています。子どもに関する相談は年々増加傾向で、内容が多様化・複雑化しています。また、近年では「ヤングケアラー」が子どもに関する社会問題として注目されています。市では本年度、専門の相談員である「ヤングケアラーコーディネーター」を新たに設置しました。今回は、「ヤングケアラー」の現状や子どもが抱える問題点などを解説します。 ヤングケアラーとは? 本来大人が担うような家事や家族の介助、きょうだいの世話などを日常的に行っている子どものことです。責任や負担の重さで自分の時間が確保できず、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります。 ヤングケアラーの一例 全国の状況 厚生労働省の調査では、世話をしている家族が「いる」と回答した割合は、小学6年生で6.5%、中学2年生で5.7%、高校2年生で4.1%でした。このうち、中学2年生に関しては、約17人に1人が世話をしている家族が「いる」と回答したことになります。 問題の背景 近年、ヤングケアラーの問題が広まった背景に核家族やひとり親など家族形態の多様化が挙げられます。その影響から、共働きなどで親が家庭にかける時間が減少し、働いている親の代わりに子どもが家事などを担う家庭が増えてきました。 何が問題? 家事・育児の手伝いは、子どもの思いやりや責任感を育むことにつながります。しかし、年齢に見合わない過度な負担が続くと、心身や将来にさまざまな影響が出る可能性があります。 学業への影響 遅刻・早退・欠席が増える、勉強の時間が取れないなど。 就職への影響 自分にできると思う仕事の範囲を狭めて考えてしまう、自分が実施してきたことをアピールできないなど。 友人関係への影響 友人とコミュニケーションを取れる時間が少ないなど。 ヤングケアラーコーディネーターとは? 市民や関係機関からのヤングケアラーに関する相談を受け、必要に応じて、関係機関などと連携し、適切な支援につなげる専門の相談員です。 具体的な支援内容 相談支援や情報収集、関係機関との連絡や調整(下図参照) 小・中学校や保育園、幼稚園などへの定期訪問 関係機関や庁内部署との連携 広報啓発活動 ヤングケアラーコーディネーター山崎貴恵子さん 子どもの成長には遊びや体験の時間が十分に必要 ヤングケアラーの状態の子どもは、本来子どもの成長に必要な遊びなどの時間や体験が十分に確保されず、子どもが子どもらしく育つ権利が損なわれている状態です。ヤングケアラーコーディネーターは、このような子どもを守るため、相談をはじめとした支援に力を入れています。 私たちにできること ヤングケアラーは、一見普通の子どもたちです。だからこそ、ヤングケアラーかもしれないと感じたときは声をかけ、手を差し伸べ、しっかりと向き合うことが大事です。資格も専門的な知識も必要ありません。その行動がヤングケアラー支援の一歩になります。「ヤングケアラー」を知って、支援の協力をよろしくお願いします。 心配ごとや困りごとがあればご相談を 「関わっている子どもがヤングケアラーかもしれない…」「ヤングケアラーの支援をしてくれる関係機関につなげてほしい」このような心配ごとや困りごとがあれば、気軽にヤングケアラーコーディネーターまで相談してください。 相談・問い合わせ先 電話相談・来所相談(手紙・FAXでの相談も可) 必要に応じて訪問相談も可 場所 〒811-3492/住所不要 子ども家庭センター(市役所西館1階)電話番号:0940-36-1302ファックス:0940-37-3046 相談日時 月曜日から金曜日午前8時30分から午後5時まで 市役所閉庁日は休み