令和7年4月開校予定 県立宗像特別支援学校(仮称)~令和5年8月特集~ 最終更新日:2023年8月1日 (ID:4041) 印刷 宗像特別支援学校(仮称)の開校にあたり、「"教育"を通じたお互いを尊重する共生社会の実現」を目指し、福岡県、福岡教育大学、宗像市の3者は連携を強化しています。 令和5年度現在、県立特別支援学校は20校。特別支援教育の充実と普及が図られる中、特別支援学校への入学希望者は増加しています。 今後のニーズに応えるため県は、特別支援学校を新たに3校設置する方針を決定、うち1校を宗像市(福岡教育大学敷地内)に設置することを決めました。県立宗像特別支援学校(仮称)の開校に向けて、福岡県、福岡教育大学、宗像市は、連携を強化し、教育を通じてお互いを尊重する共生社会の実現を目指します。宗像特別支援学校(仮称)では、福岡教育大学をはじめ地域との連携により、市立学校の特別支援教育環境の向上、専門性を持った教育人材の育成など、他地域にはない相乗効果も期待されています。すべての子ども一人一人に合った教育と互いを尊重する共生社会の実現へ宗像市教育長 高宮史郎(たかみや・しろう)開校にあたって、三つの点で大変希望を寄せています。一つは、通学時間が大幅に短縮され、児童生徒や保護者の利便性の向上と負担軽減になることです。スクールバスによる市内からの通学時間は約15分程度になり、3分の1に短縮されます。二つは、宗像市立学校の教職員の更なる資質向上につながり、市立学校の児童生徒にも質の高い教育を届けることができることです。福岡教育大学や特別支援学校と連携し、教職員の実地研修などができ、助言いただけると思っています。三つは、特別支援学校に通う児童生徒が地域行事や大学行事に参加するなど、学校内外で交流を深めることで、互いに尊重し合う共生社会をつくる拠点になることです。現在、宗像市では教職員、保護者、地域住民が地域の子どもの教育に関わり、社会の担い手となる子どもを育む小中一貫コミュニティ・スクールを実践しています。今後、いっそう児童生徒一人一人のニーズに合った教育がなされることを期待します。 高宮教育長の「高」は、本来「はしごだか」を使用します特別支援教育の更なる充実に向けて福岡教育大学学長 飯田慎司(いいだ・しんじ)さん福岡教育大学では、特別支援教育教員養成課程において、視覚障害など六つの障害領域の、専門性を有した教員を毎年60人ほど養成しています。令和7年4月、福岡県、宗像市および本学の連携協力による全国でも希有なケースとなる特別支援学校が開校します。教育研究拠点である本学内に実践現場である特別支援学校が設置されることで、本学学生が、ボランティア活動や教育実習などで障がいのある子どもたちとの触れ合いを通じ、特別支援教育への意識の向上や実践的指導力の習得につながるのではないかと強く期待しています。また開校に併せて、本学の教職大学院内に、特別支援教育の高度化に向けた「特別支援学校向上コース(仮称)」を開設する検討を進めています。このようなリソースを持つ本学が福岡県や宗像市としっかりと連携協働関係を構築し、この地域の特別支援教育のさらなる充実を図るとともに、本県の特別支援教育の先導的モデルの推進拠点を形成し、全国の特別支援教育の振興に結びつけていければと考えています。県立宗像特別支援学校 (仮称) について紹介します福岡県教育庁教育振興部特別支援教育課宗像・早良地区特別支援学校新設班 班長 原口優(はらぐち・まさる)さん福岡県教育委員会では、県立古賀特別支援学校の児童生徒数の増加に伴う教室不足を解消するため、福岡教育大学敷地内に県立宗像特別支援学校(仮称)を設置します。現在は造成工事中ですが、本年10月から校舎建築に着工します。校舎は3階建てで屋上にプールが設置されます。地域のみなさんや福岡教育大学関係者等との交流教室・スペースを設置するなど、「社会に開かれた学校」「明るく開放的な学校」が特徴です。また、各階には複数の静養室を設けるなど、知的障がいのある児童生徒にとって安全・安心な環境づくりに配慮しています。今後は、学校のリーフレットの配布や学校説明会等を実施していく予定です。地域における特別支援教育の拠点として、地域や福岡教育大学との連携により、教育を通した共生社会の実現を目指します。 学校概要設置場所=宗像市(福岡教育大学敷地内)工事スケジュール(予定)=令和5年10月から令和7年2月まで新築工事開校予定日=令和7年4月1日通学区域(予定)=宗像市、福津市、中間市、岡垣町、遠賀町、水巻町、芦屋町学校規模=知的障がい部門(小学部・中学部・高等部62教室)通学バスを運行昼食は給食寄宿舎の設置はなし学校の特色個別の教育支援計画や指導計画に基づく、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育宗像市、福岡教育大学をはじめ、地域の教育資源を生かした社会に開かれた教育活動の推進インクルーシブセンター (地域連携室)を活用した教育相談の充実や教育の担い手の育成地域の小中学校等との交流及び共同学習の推進施設などの特徴児童生徒同士の関わりや地域とのつながりを創り出すことで、成長を促す施設広場や教室が体育館の周りに配置された開放的な設計で、児童生徒の自立を促す教育環境ピクトグラムや分かりやすい文字表示による児童生徒が理解しやすい空間児童生徒の障がいの特性を考慮したむなかたの森 (中庭) イメージ図校舎イメージ図“教育”のチカラを結集し、 互いを尊重しあう共生社会の実現へ特別支援学校は、心身に障がいのある児童・生徒が通う学校です。専門性を持った先生から一人一人の障がいや年齢に合わせた教育を受けることができます。令和7年4月の県立宗像特別支援学校(仮称)の開校に向け、福岡県、福岡教育大学、宗像市は、特別支援学校の教育充実だけでなく、教職員の育成、市立学校の特別支援教育の向上を目指し連携しています。3者の連携は、全国の特別支援学校でも珍しく、大きな特徴です。今後は、地域とも協力して「教育」を通じた共生社会の実現に向けて取り組みます。左から、宗像市教育部部長・中村博二(なかむらひろじ)、福岡県教育庁特別支援教育課班長・原口優(はらぐちまさる)さん、福岡教育大副学長・相部保美(あいべやすみ)さん