ママと子どもの秘密基地「ままトこ」ってどんな「とこ」?~10月17日レポート~ 最終更新日:2024年10月17日 (ID:7600) 印刷 ようやく涼しくなってきたので、「やっと何か始めようかな」という気持ちになっているSatomiママレポーターです。さて、子どもたちを連れて出かけるにもいい季節になってきましたが、お出かけ先の一つとして、「ままトこ」はご存じですか? 「ままトこ」とは毎週金曜日(長期休暇除く)の午前10時から午後2時に開催されている、子育て当事者(妊娠中も含む)を対象とした居場所事業です。2024年4月から、グローバルアリーナのベーカリー2階にあるライブラリーを利用してスタートしました。当初は寄付品のみで何とか環境を整えていましたが、7月から開始したクラウドファンディングにより、さらに環境が整いつつあります。(クラウドファンディングは終了しました)宗像市の子育て共助団体「ママボラむなかた」が主催しており、交代で常時6人ほどがスタッフとして運営に当たっています。なお、スタッフの半数以上は、自分の子どもと一緒に参加しています。開催場所はグローバルアリーナのベーカリー「Green Grass」2階のライブラリーへは階段で上がれます 何をしているの?「ままトこ」の室内にはマットが敷かれ、ねんねやハイハイの赤ちゃんでも、のびのび過ごすことができるようになっています。寄付で集まったおもちゃやライブラリーの絵本で遊んでいる子も。外には遊具もあるので、天候のいい日には外で遊ぶこともでき、基本的に過ごし方は自由です。外の芝生広場と遊具 集まったお母さんたちも、何気ないおしゃべりを楽しんだり、時には情報交換をしたり、常設のウォーターサーバーで飲み物を入れたり、ソファで休憩したり、自由に過ごしています。飲食が可能なので、離乳食を持参することもできますし、1階のベーカリーで購入した商品で昼食をとる人もいます。「ちょっと下のパン屋さんで買い物を…」「トイレに行きたいので抱っこしていてもらえますか?」など、お子さんをスタッフに託すなど、「頼ることをためらわないで、一人ではないことを実感してほしい」というのが、「ままトこ」の願いです。おゆずり品も常に集まり、誰かにもらわれていきます。会場内の配置やリクエストボードの掲示など随時案を出しながら、居心地のいい場所を模索しています。スタッフも参加者も分け隔てなく過ごすおゆずり品のリクエストボード 「共助」による孤独感の払拭昨年2023年に国でも「孤独・孤立対策推進法」が成立しましたが、現代社会では子育て当事者が簡単に孤立してしまいがちです。しかし、子育てを一人で抱え込むことは、本当に苦しいことです。「ままトこ」では、一方的に助ける、助けられるのではなく、「共助」を目的として活動が行われています。目指すのは、顔の見えるお節介の循環。お節介をすることも、そのお節介を気持ちよく受け取ることも、巡り巡って他者の役に立ち、自己肯定感や自己有用感を上げることにつながるという考えです。頼ることもまた、誰かの助けになりうるのです。また、この循環によって、他者との連帯感も生まれ、「ままトこ」から帰宅して物理的に一人になった時も、心理的には「一人じゃない!」と思えるようになります。ママボラむなかた代表の米倉仁美さんも「家から出て顔を合わせることで、一人ではなく、つながれる誰かがいることを、より実感できます」と話されていました。代表の米倉さん 「ままトこ」の由来は?名前は公募の結果、「ママ」と「子」、「ママ」と「ところ(とこ)」などの意味を含みつつ、カタカナの「ト」が手を指しのべている様子に見えることなど、温かい関係をイメージさせることから選ばれました。目指している「お節介の循環」の姿にも、つながる名前であるように思えます。「ままトこ」のポスター 参加者の声毎回平均10組の親子が遊びに来ているという「ままトこ」。参加者の感想を伺いました。おしゃべりしたくて来ています。小さな悩みでも、結構「わかるー!」と言ってもらえるから、安心しますおゆずり品を見に来ました。正直、すごく助かりますちょっと子どもを見ていてもらって下のパン屋さんでゆっくりパンを選ぶだけでも、「自分の時間」って感じが楽しい外に出ると「ちゃんとしなきゃ」「良いママでいなきゃ」って気を張るけど、ここではゆるく過ごせて楽です スタッフの感想受け入れる側でもあり、当事者でもあるスタッフの方の声です。赤ちゃんが大好きだけど、もう自分が次の子を産むか分からないので、赤ちゃんに会えるのがありがたい。ただひたすらかわいいママとして参加できるのもありがたいけど、ママではなく奥さんでもなく自分自身として見てもらえるのが心地良い。(〇〇ちゃんのママではなく、ご本人が呼ばれたい名前で呼び合っています)支援の場は「お世話になっている感」があるけど、ここはママが主役で、自分たちで作っていくので、自己肯定感が上がる。子育てに専念していると、お金を生み出していない、何もできていないという思いにとらわれがちだったけれど、誰かの何かの役に立てているという感覚を得られて幸せ「あったらいいな」を一緒に考えてくれる仲間がいて嬉しい。我が子も楽しめるイベントが作れるのが楽しいもう下の子も4歳になってしまったけど、もっと小さいときにこういう場所があったらよかったなと思う 今後について活動を継続していくために、目下の課題は資金不足だそう。先日行われたクラウドファンディングは、その足掛かりです。クラウドファンディングそのものや、そこで得られた資金をもとに2024年11月4日開催予定の「ままトこフェスタ」で知名度を上げ、運営費の確保を計画しています。子育て当事者の孤独を解決し、子どもたちが健やかに育つ社会を維持するために、このような活動が広く知られ、活動そのものも支援者も増えていくことを願います。 「ままトこフェスタ」のチラシはこちらからも確認できます(PDF:618.1キロバイト) 市と市教育委員会の後援も得て開催される「ままトこフェスタ」40店舗ほどが集まるマルシェやキッチンカーなど、盛大に行われます市内小学校や店舗などでもチラシを配布しています (表記はレポーターの表現を優先しています)