「出光佐三」偉人マンガ刊行記念イベント~1月18日レポート~ 最終更新日:2025年1月18日 (ID:7607) 印刷 こんにちは、ゆきママレポーターです。2024年の7月、出光佐三さんをテーマにした偉人マンガ「出光佐三・日本を支える故郷を愛した宗像人」が刊行されました。宗像に来てから、出光佐三さんの名前をよく目にしていましたが、具体的にどのようなことをされた方なのかは詳しく知らなかったため、気になって早速購入。海の道むなかた館で関連イベントも開催されるとのことで取材に行ってきました。 2024年11月1日から2025年1月26日:特別展「出光佐三 日本を支える故郷を愛した宗像人」2024年11月3日:アートパフォーマーのカラリズムリサさんによるアートパフォーマンス&トークショー 特別展「出光佐三 日本を支え故郷を愛した宗像人」海の道むなかた館館内には特別展のポスターがありました 出光佐三さんは、出光興産の創業者で日本の近・現代を代表する実業家。宗像郡赤間村(現宗像市赤間)出身で、故郷宗像へも多大な功績を残しました。宗像神社(現宗像大社)復興事業や福岡教育大学誘致活動は、世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」登録や教育のまちといった現在の宗像市の形成に大きな影響を与えました。特別展では、石油関連事業で傑出した成功をおさめた出光佐三さんの生涯と功績を、故郷・宗像の視点から資料とともに紹介しています。笑顔の出光佐三さん 展示物は、出光佐三さんの生涯年表や漫画のシーンに沿って展示されています。彼の宗像での功績を称え当時の宗像町が授与した宗像町名誉町民章も見ることができますよ。特別展の展示宗像町名誉町民章 シアタールームでは、映像「出光佐三の故郷創業の地」(約13分)の上映と、パネル展示「出光佐三の主義方針」があります。シアタールーム 今回の特別展は2025年1月26日まで開催されていますので、この機会にぜひ行ってみてください!海の道むなかた館ホームページ(外部サイト) カラリズム リサさんのアートパフォーマンス&トークショー特別展とあわせて、11月3日はアートパフォーマーColorhythm Risa(カラリズム リサ)さんによる、出光佐三さんをテーマにしたアートパフォーマンスとトークショーを開催。一体どんなアートなんだろうとワクワクながら参加しました。宗像市出身のリサさんは、音楽に合わせて絵をダイナミックに描くアートパフォーマー。絵を変化させながら物語を描くシネマティックペインティングを考案し、年齢や国籍などに関係なく鑑賞できるアートを世界中に発信されています。パフォーマンスやトークショーの様子は、関連リンクより公開されていますカラリズム リサさん 約30分のアートパフォーマンス一体どんな作品が出来上がるのでしょうか。ステージには大きなキャンバスと絵の具のボトルが 音楽に合わせて笑顔で軽やかに舞うリサさん。キャンバスに沖ノ島と宗像三女神が現れました。パフォーマンススタート海に浮かぶ沖ノ島美しい宗像三女神 佐三誕生明治18年(1885年)8月22日、出光佐三さんが宗像の地に生まれました。8人兄弟の二男、生まれたところは888番地と、8に縁があるようです。佐三誕生 幼少期幼い頃から信心深く、父の口癖「一生懸命取り組んで」「質素であれ」「人のために尽くせ」を聞いて育ちました。その一方わんぱくな性格で、梅の木に括りつけられたなんてこともあったそうです。幼少期 学生時代病に負けず勉学に励み、成績は優秀でした。将来は、お金のためではなく人のために商人になると決意します。学生時代 出光創業資産家の日田重太郎さんより6000円(現在では1億2千万円ほど)の資金援助をしてもらい、明治44年(1911年)に「出光商会」を創業します。出光創業 事業拡大、そして戦争石油製品の供給で、海外にも進出し波に乗っていましたが、戦争が激化し、日本の敗戦により莫大な借金を背負うことになります。事業拡大、そして戦争 終戦出光商会には約1000人の従業員がおり、約800人は海外にいました。出光佐三さんは国内の従業員を集めて「愚痴をやめよ」「この日本の三千年の歴史を見直せ」「そして今から建設に取りかかれ」と言い、誰一人クビにしませんでした。終戦 復興日本で石油業への復帰が認められず、あらゆる分野の仕事に挑戦。中でも、誰もしなかった海軍が使った後の石油タンク底の油の回収が評価され、昭和22年(1947年)年、出光興産として石油業界に復帰します。復興 故郷・宗像への思い出光興産を大企業に育てていきますが、故郷である宗像をいつも大切に思っていました。宗像大社の復興事業、福岡教育大学誘致活動等、地域貢献に尽力し、昭和53(1978)年には、宗像町名誉町民章を授与されます。宗像市の花カノコユリが咲き誇る圧巻のラストです。お見事!完成です!正面から見るとより迫力が増します トークショートークショーをされたのは、カラリズム リサさん、唐津街道赤間宿ボランティアガイド会長の田中貞敏さん、宗像市世界遺産課課長の白木英敏さんです。この日、出光佐三さんについて知っている方は会場の半分ほど。パネリストの方々は本当に歴史に精通されていて、年号だけでなく日付までスラスラと答えており、出光佐三さんのファンの方にはとても充実した時間だったのではないでしょうか。左から田中さん、白木さん 語られる偉人の姿出光佐三さんは昭和56(1981)年、95歳で亡くなります。この時、40年ほど付き合った側近の石田正實さんは「この人は、生涯一度も私に金を儲けろとは言わなかった」と話されていたそうです。また、出光佐三さんはさまざまなところに多額の寄付をされていましたが、はっきりとした額は知られていません。これは、出光創業時の恩人・日田重太郎さんに習い、善行は人に知られないよう密かに行うという「陰徳」の心を大切にされていたのだろうといわれています。 カラリズム リサさんにインタビュー大作を前に微笑むリサさん パフォーマンスについて出光佐三さんの激動の人生をドラマチックに表現されたリサさん。アートパフォーマンスで特に大切にされていることは「心の動き」だそうです。多くの情報をシンプルに捉えて表現することで、彼の感情がダイレクトに伝わり、とても感動的でした。 宗像の魅力は「人」である昔から「宗像に悪い人はいない」と話すリサさん。「陰徳」の話でもありましたが、マンガの中でも「宗像には宗像神社があり、神様のことを大事に思う気持ちを持っているので、良い先生や人情に厚い人が多い」という描写がありました。宗像が住みやすい町と言われる理由は、「人」にもあるではないかと感じました。 親も夢中になることが大事最後に、好きなことを追求してご活躍されているリサさんに、「子どもが夢中になれることを見つけるにはどうしたらいいか」とお聞きしたところ、「まずは親が夢中になる姿を子どもに見せることが大事」だとアドバイスをいただきました。振り返ってみると、「確かに私は子どもに何かに夢中になる姿を見せたことがなかったかもしれない」と思い、今後の子育てに活かしたいと思います。 イベントを終えて今回のイベントはとても濃い内容で、出光佐三さんの素晴らしさを再認識できたのはもちろん、カラリズム リサさんのパフォーマンスにも魅了されました。参加前にマンガを読んでいたのでさらに理解が深まったと思います。とても読みやすく皆さんにもおすすめですよ。また、マンガと合わせて出光佐三さんのゆかりの地を訪れてみたら、新たな発見があると思います。定期的に期間限定の展示やイベント等もありますので、ぜひ行ってみてくださいね。 (表記はレポーターの表現を優先しています) 関連リンク海の道むなかた館(外部サイトにリンクします)パフォーマンス(ショートver.)(外部サイトにリンクします)パフォーマンス(フルver.)(外部サイトにリンクします)トークショー(外部サイトにリンクします)