市内の全小学4年生が参加!一日英語漬けで過ごす「イングリッシュ・キャンプ」~12月18日レポート~
更新日:2021年12月18日
こんにちは、ママレポーターの新田です。
私たち、今の子育て世代が小学生の時にはほとんど実施されてこなかった小学校英語教育。
2020年度から全国的にも全面実施となったことで、小学生のお子さんを持つご家庭はグローバル化の波を身近に感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな中、宗像市では5年生から本格的に始まる英語への学習意識を高めるきっかけになればと、市内すべての小学4年生を対象に一日英語漬けで過ごす「イングリッシュ・キャンプ」を実施しています。
今回は、子どもたちが楽しく学べるよう工夫が詰まった同キャンプを取材しました。
緊張しながらも、活動を楽しむ子どもたち
キャンプ地となったのはグローバルアリーナ。レンジャー(隊員)と呼ばれる外国人留学生が「Good morning!」と明るく出迎える中、この日バスに乗ってやって来たのは河東西小学校4年1組と3組の児童計67人。
やや、緊張気味でスタートです!
レンジャーたちが1人ずつ英語で自己紹介します
英語漬けといっても、ゲームのルールなど細かい指示は日本人レンジャーが日本語で説明してくれるので安心です。レンジャーの音頭で身体を動かして緊張が少し解ほぐれたところで、早速グループごとにレンジャーとゲームや質問に答える活動を行いました。
ゲームを通してアルファベットや、「Hello(こんにちは)」「How are you?(元気ですか?)」などの基本的な挨拶も学びます。
また、好きな色やスポーツについては「I like ○○(私は○○が好きです)」と文で答えられるよう練習していきます。
ビンゴゲームでアルファベットを勉強中
身体の動きと連動させながら挨拶を覚えていきます
その後は「マイタウン&カーニバル」。レンジャーたちの街のお店やお祭りを訪れ、遊びの中に会話を取り入れながら学んでいきます。
ゴルフやダンススタジオなど11のブースを個人で回り、遊んだらレンジャーからサインが貰えます。たくさんのサインを集めようと、みんな張り切っていました。
一番人気だったのはアーチェリー、長い列ができていました
レストランでは「I want〇〇(〇〇が欲しいです)」と注文
この町の決まりは「No Japanese!(日本語禁止)」。日本語を話しているのが見つかると警察に捕まり、牢屋に入れられてしまいます。
さて、子どもたちはNo Japaneseで過ごせていたでしょうか…?
町の中央に設置された牢屋。サングラスの下から警察が目を光らせています
なんだかヒソヒソと日本語が聞こえてきたような気もしますが、そこはご愛敬(笑)。
見つかって捕まっている子もチラホラいましたが、警察とのやり取りも楽しそうです。
牢屋では、警察からいくつか英語で質問をされ、日本語を話さない約束をすると無事解放されていました。
病院では、診察を受けて痛い箇所を言うと、手当をしてもらえます。
いつの間にか町には頭にケガを負った包帯姿の男子児童が続出、一人が始めるとみんなで続くのが小学生らしくて微笑ましいですね。
レンジャーが次々と包帯を巻いています
反復練習の後は1対1の会話にチャレンジ
昼食を挟んで午後からはもう一度午前中に行ったゲーム、質問の活動を行いました。反復して口に出すことで、覚えたことをしっかり頭に入れていきます。
午後になると、みんなレンジャーと英語で話すことに慣れてきたのか表情にも余裕が見られ、笑い声も聞こえるようになりました。
キャンプの最後にはいよいよレンジャーと1対1での会話に挑戦。
一日を通して何度も練習した成果を発揮していました。
1人3回ずつ、別々のレンジャーとの会話に挑戦します
他の児童は待ちながらレンジャーとジェスチャーゲーム
最後は賞状を受け取り、「See you(さようなら)」とお別れ。
参加した児童たちは、「最初はレンジャーの言っていることが分からなかったけど、何度も話すことで慣れてきて徐々に話せるようになった!」と楽しめた様子。
終わってみると、みんな晴れ晴れとした顔をしており、来た時よりも挨拶の声も力強く、自信が芽生えていたように感じられました。
英語で書かれた修了証、一日頑張った証ですね
各大学から集まった国際色豊かなレンジャーのみなさん
今回レンジャーを務めたのは、九州大・広島大・佐賀大・立命館アジア太平洋大学(APU)に通う留学生のみなさん。この日はアジア、アフリカ、オセアニア等国際色豊かな18人が参加しました。
佐賀大学の留学生・ミャンマー出身のチョウさんは子どもが大好きで、母国でも英語を子どもたちに教えるボランティアをしていたそう。
担当していた基礎練習ブースでは、元気よく笑顔で子どもたちを盛り上げている姿がとても印象的でした。
ミャンマー出身のチョウさん
ミャンマー語は日本語と語順が似ているので英語の文法には苦労したそう。
また、母国語の他に英語、日本語と第2、3外国語を操るレンジャーたちに語学を勉強する秘訣を聞いてみると、インドネシア出身でAPU留学生のカルヤナさんからは「継続して勉強すること!」との返答が。
長らく英語から離れている私にとっては心に刺さる言葉でした。やはり「継続は力なり!」ですね。
レンジャーのみなさん(カルヤナさん:左から2番目)
レンジャー同士も初対面。「ここで友人もできて楽しいです」と話していました。
市内全ての小学4年生を対象にしているため、イングリッシュキャンプは約1カ月間開催されます。
レンジャーのみなさんは、時には数日グローバルアリーナに泊まり込み、メンバーも入れ替わりながら約1カ月活躍されました。
みなさんお疲れさまでした!
宗像市独自の小学校英語教育が面白い!
宗像市の小学校英語教育についてまとめました
宗像市では、文部科学省が定めるカリキュラムの他に独自の取り組みとして、小学1・2年生から外国語体験の時間を設けたり、ALTの授業を多めに配置したりしています。
また、今回のようにすべての児童に英語の学び場を提供する「イングリッシュ・キャンプ」は大変珍しい取り組みだそうです。
子を持つ親としては、これからもぜひ続けてほしい活動だと思いました!
宗像市には世界文化遺産である宗像大社、グローバルアリーナ、福岡教育大学や、日本赤十字九州国際看護大学など外国の方と出会える拠点が多くあり、コロナ終息後には交流する機会が増えることも期待されています。
もちろん、今回のキャンプだけで英語が話せるようになるわけではないですが、この経験を通して「英語を話す楽しさ、伝わる喜び」を知り、今後に活かせていけるといいですね。
(レポートは原文のままで掲載しています)
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