たくさんの方の思いが詰まった学校給食!美味しさの秘密を探りました~3月17日レポート~
更新日:2023年3月17日
こんにちは、ママレポーターの新田です。
子どもたちの「食育」の場でもある給食の時間。「今日の献立は何かな?」と毎日の給食を楽しみに学校に通っていた方も多いのではないでしょうか?
今回は1月24日から1月30日の全国学校給食週間に合わせて、宗像市の学校給食について取材。河東小学校に伺い、給食の配膳や食事の様子も見学させていただきました。
宗像市の給食はなぜ美味しいのでしょうか?「自分の時の給食はこうだったな・・・」と自分の小中学校時代を思い出しながらご覧ください。
宗像市内の全校で採用、「自校式給食」はメリットも多い
宗像市ではすべての小・中・義務教育学校に給食室があり、各校で調理する「単独校調理場方式」(全校自校式給食)を採用しています。
学校給食センターで調理した給食を提供する「共同調理場方式」から「単独校調理場方式」へ移行したのは平成10年から。その年に開校した河東西小学校に給食室を設けたことを皮切りに順次切り替わり、平成22年には全校で単独校調理が始まりました。市内全ての学校に給食室があるのは結構珍しいそうですよ。
単独校調理場方式のメリットはなんと言っても「出来たての温かい給食が食べられる」こと。
また、各学校で献立を立てているので、学校の行事や取り組みに合わせた給食が提供できたり、地域の生産者を招いた交流会を開催したりするなど「食育」指導の充実も図ることができます。
- 栄養教諭が在籍する学校は栄養教諭が、それ以外の学校では市の管理栄養士が献立を立てています(栄養教諭は児童生徒の栄養管理や指導をする教員のことで、平成17年から新設されました)
地産地消を取り入れた給食
宗像市ではかのこの里、ほたるの里、道の駅むなかたなど地域の農産物直売所を通して、市内の生産者が作った野菜や果物を使った給食を提供しています。
すべての食材が宗像産ではありませんが、地元青果物の活用率は県内でも上位だそう。
お米ももちろんむなかた地域産(福津も含まれる)!
各学校で炊くため、毎日炊きたてのご飯を食べることができます。安心安全な地域の食材を取り入れてもらえるのは嬉しいですね。
河東小学校の給食時間の様子
河東小学校では、栄養教諭の白川千鶴先生が毎日おいしい献立を考えてくれ、8人の調理員さんが児童・教職員合わせて850人分の給食を作っています。
今回は河東小学校2年生の給食時間を見学。時間軸に沿ってご紹介します。
午前11時45分ごろ:校長先生が検食
当日に提供される給食を食べ、異物混入がないか、加熱具合・硬さなどが適切か細かくチェックして検食簿に記入します。
「河東小の給食は白川先生の愛情がこもっていて自慢です!」と校長先生。毎日必ず感想を書いて、白川先生に見てもらっているそうです。
ごはんの炊き加減やおかずの分量、味付けなど細かくチェック
午後0時20分ごろ:給食当番が給食を取りに給食室へ
4時間目の授業が終わり、各学級の先生と給食当番の子どもたちが続々と給食室に集まってきました。
クラス順に整然と並ぶ給食ワゴン
アレルギー対応が臨機応変にできるところも単独校調理場方式のメリット
一列に並んで「〇年〇組いただいていきます」とあいさつ
皆で協力してワゴンを押していきます
午後0時25分ごろ:教室に到着して配膳開始
牛乳を配る子、食器におかずを盛り付ける子など給食当番の子がテキパキと配膳準備に取り掛かります。
それ以外の子は自分の席で静かに待っていました。
配膳の準備ができたら、係の子の合図で2グループに分かれて給食を受け取りに。「少な目でお願いします」「ふつうでお願いします」と自分が食べられるぐらいの量をあらかじめ申告する子もいました。
食器に盛り付け。残さずぴったり盛り付けるので驚きです!
順番に並んで食器を受け取ります
午後0時35分ごろ:配膳完了して「いただきます」
コロナ禍前はグループごとに机を向かい合わせていたそうですが、コロナがまだ終息していないこともあり、机を1人1人離して黙々と食べていました。
現在は「大声で話さないように」程度で黙食の指導はしていないそうですが、この数年で黙食が当たり前になってしまっているような雰囲気で、少し寂しさもありました。
早く以前のように友達とワイワイしながら食べられる日が来るといいですね。
机を離して1人ずつ食べる子どもたち
午後0時40分ごろ:給食委員による校内放送
皆が食べ始めたぐらいのタイミングで、献立や一口メモを紹介する校内放送が流れました。
この日の給食のテーマは「むなかたそだちを味わおう」。献立で使われている宗像産の食材も紹介されました。
校内放送が終わった後は、各クラスで白川先生が作った動画を視聴しました。
以前は地域の生産者さんとの交流給食会もあったそうですが、コロナ禍のため代わりに白川先生が生産者を訪ねた様子を撮影して流しているそうです。
この日はデザートとして提供された宗像産みかんの選果場の様子が紹介されました。
3学期から導入されたプロジェクター。動画を黒板に映して視聴します
午後0時55分ごろ:食缶が空に!食器も順に片づけ開始
少しだけ残っていた「かぶのそぼろ煮」。白川先生の「かぶ農家さんが『みんなのために大きくておいしいかぶを用意した』って言っていたよ!」という声掛けも後押しとなり、おかわりする子が続出!
すべての食缶が空になりました。
食べ終わった子から食器の片づけ。給食トレーについた汚れもきれいにふき取ります
午後1時10分ごろ:ごちそうさま!
午後1時15分ごろ:給食当番がワゴンを給食室に返却
最後の子が食器を片付け終わるのを待って、ワゴンを給食室へ
一列に並んでごちそうさまでした!
子どもたちに本日の給食の感想を聞いてみました
- かぶは甘く、柔らかくてとても美味しかったです
- あかもくは家ではあまり食べないけど給食には時々入っています
- 今日は卵焼きの中にあかもくが入っていて食べやすかったです
給食室前には食育コーナーや給食ニュースなどの掲示も
河東小学校の給食室前にはその日の献立の紹介のほか、冬の行事食が分かる食育コーナー、地域の農園「かとコミ農園」についての掲示など、給食や食に関する掲示物が充実していました。
その一角には献立のリクエストや感想などを子どもたちが自由に記入し投函できる「給食ポスト」も。
白川先生はそれらを調理員の皆さんと共有したり、献立の参考にしたりするなど、子どもたちとの交流も活発に行っているそうです。
ちなみに、河東小学校の子どもたちが一番好きな給食は「ココア揚げパン」!リクエスト給食でも毎回上位に上がる人気メニューなのだとか。
私自身は「揚げパン」しか食べたことないのですが、ココアがまぶしてある揚げパンなんて想像しただけで美味しそう!揚げてココアをまぶす行程も給食室で行うなど手間もかかった一品です。
冬の行事食の掲示がされた「食育コーナー」。
「給食ポスト」には白川先生宛のお便りが
「かとコミ農園」では5年生がさつまいもを収穫。彼ら考案の「さつまいもスティック」も給食に登場して好評でした
久しぶりの学校給食を堪能!自宅でも子どもに食べさせたくなる優しい味でした
給食の様子を見学した後、特別に私も試食させていただきました。
この日の献立:ごはん、牛乳、あかもく入り卵焼き、かぶのそぼろ煮、すまし汁、みかん
どれも美味しかったのですが、個人的には「かぶのそぼろ煮」の味付けが特に好きでした。
甘みのある「かぶ」に味がしっかり染み込んでいて、懐かしくてやさしい味。
「家でも子どもたちに食べさせたい!」と感じるおかずでした。
職員室でも、この日一番人気のおかずだったそうですよ。
- 使用した宗像産食材(福津産含む):米、あかもく、卵、かぶ、みかん
初の試み!宗像産卵を使用した加工品の提供
今回、宗像産卵を使用した加工品の提供を、給食用物資納入業者である株式会社泉平に外注して初めて実現。
「あかもく入り卵焼き」として全国学校給食週間中に各学校で提供されました。
今後もオムレツなど宗像産の卵や食材を使った加工品が給食で提供予定だそうです。
栄養教諭は子どもに寄り添う「食育」のスペシャリスト!
給食時間中は、各クラスを巡回して子どもたちが食べている様子をチェックしたり、時には配膳を手伝ったりすることもあるという白川先生。
「ここのクラスは配膳が上手ですよ」「1年生の時にはあまり食べられなかったけど、2年生になってから急に食べられるようになった子もいるんですよ」など子どもたち一人一人のことを細かく把握していて、とても驚きました。
また、河東小学校では月に1回、日本の郷土料理を紹介する「味わい旅行給食」の日を設けており、白川先生が作った動画も一緒に流しているそう。
コロナ禍でなかなか旅行に行くことが出来ない中、給食を通して「日本には素敵なところがたくさんあることを知り、いつか行ってみたいと思ってほしい」という白川先生の思いが込められています。
このほか、調理実習の授業にも参加したり、小学校のHPに毎日の献立と一言コメントを掲載したりするなど、「食育のスペシャリスト」として子どもたちに寄り添う姿が印象的でした。
子どもに給食の感想を聞いて周る白川先生
最後に、白川先生と宗像市学校管理課で管理栄養士の荒牧直子さんにコメントを頂きました。
河東小学校・栄養教諭の白川千鶴先生
美味しくて見た目にもこだわった献立を日々考えています。給食を学校に来る楽しみの1つとして思ってもらえると嬉しいです。
宗像市学校管理課・管理栄養士の荒牧直子さん
宗像育ちの食材を使いながら、栄養教諭の先生が一生懸命献立を考えてくれています。栄養満点の給食なので、たくさん食べてくださいね。
白川先生と荒牧さん(左から)
毎日当たり前のように食べている学校給食ですが、その裏には、栄養満点の献立を考えてくれる栄養教諭の先生や調理員さん、地域の野菜を提供してくれる農家さんなどたくさんの方々の支えがあることが分かりました。
給食を通して子どもたちには食のありがたみを学び、宗像のことを知り、愛着を持ってもらえると嬉しいですね。
日々美味しい給食を本当にありがとうございます!
取材後、家で給食の様子の写真を見たこの春小学校に入学予定の娘は「給食時間はスモック着ないの?」「自分たちで給食運ぶの?」「給食当番の子が着ている服は何?」と質問攻め(笑)
学校給食に興味を持ったようで「私も早く給食食べたい!」と小学校へ思いを馳せていました。
ぜひ写真を見ながら小学校の様子、給食について親子で話すきっかけにされてくださいね。
また、宗像市学校給食の公式インスタグラムでは、市の学校給食や食育について紹介しています。
栄養教諭の先生がおすすめする給食レシピなども掲載されているので、ぜひご覧ください。
(レポートは原文のままで掲載しています)
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