子どもにやさしいまちむなかた 第4回
更新日:2015年03月25日
人の権利を大切に 子どもの役割
「子どもの権利」の関係について、もう一度確認します。子どもの権利とは、何かの義務の対価として与えられるものではなく、誰にでも無条件に認められるものと説明しました。今回は、権利と義務について、具体的な事例で考え、「子どもの役割」について紹介します。
【事例1】虐待されている赤ちゃんの場合
生まれて3カ月の赤ちゃんが、夜なかなか寝ないという理由で、母親から虐待を受け、命の危険にさらされています。
もし、権利を認めてもらうために義務を果たさなければならないとしたら、この赤ちゃんは、保護される権利を認めてもらうためにどのような義務を果たせばいいのでしょうか。もちろん、義務などありません。保護する義務を負うのは、大人です。
【事例2】未成年者の喫煙、飲酒の場合
子どもには、法律で飲酒や喫煙をしてはいけない「義務」が課せられていますが、この「義務」を果たすことで認められる「権利」はどこにもありません。子どもが飲酒や喫煙を禁止されているのは、成長や発達に悪影響があるからです。
子どもには、健康に有害なことから保護される「権利」があります。子どもの飲酒や喫煙を禁止していることは、一見「義務」を課しているように見えますが、実は子どもの権利を保障しています。つまり、大人が子どもを守る「義務」を果たしているのです。
このように、子どもの権利に対する義務を有するのは、子どもではなく大人であるということを、あらためて認識する必要があります。
しかし、全ての権利が無条件に認められるからといって、無制限に認められるわけではありません。そのため、条例に「子どもの役割」が定められています。
子どもの役割
- 自分の権利が大切にされるのと同じように、他の人の権利を大切にしましょう
- 他の人の権利を侵害するようなことをしないようにしましょう
- 家族や社会の一員としての役割を果たすようにしましょう
子どもは、自分の権利を行使するときは、他の人にも同じように権利があり、その権利を侵害してはならないということを考えなければなりません。
また、家庭や社会のルールを守り、他の人に迷惑をかけないようにするために規範意識を身につけなければなりません。
これらのことを実践しなければ、正当な権利の主張であったとしても、ただの「わがまま」と受け取られ、自分自身で権利の実現を困難にしてしまう恐れがあります。
子どもの権利を保障することは大人の責務ですが、子ども自身も不断の努力で権利を保持しなければならず、決して乱用してはいけません。
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