子どもにやさしいまちむなかた第18回
更新日:2015年03月26日
これってどうなの?お手伝いはさせなくてもいい?
先日、「子どもにはお手伝いをさせていない」というお母さんがいました。理由を聞くと「口うるさく言って子どもに嫌われたくない」「ニコニコして子どもに接したいし、仲良しでいたい」なにより「私がした方が早い」からだと言っていたのですが、これって子どもの権利を考えた場合、どうなのですか?
親として、子どもに接するときは、できる限り笑顔で接したいものですね。そういった意味で、「子どもと仲良くしたい」「口うるさく言いたくない」という気持ちは分かります。また、できればさせたいという気持ちはあっても、子どもにさせる手間よりも自分でした方が早いし、その方が楽だということもあるでしょう。
しかし、お手伝いをさせないというのは、子どもの貴重な体験や学ぶ機会を奪っているのかもしれません。
3歳から6歳ごろの子どもたちは、何にでも興味を持ち、「手伝わせて!」と自分から言い、お願いしても素直に聞いてくれます。しかし、小学生くらいになると自らお手伝いをしたがることは激減し、さらに言うことを急に聞かなくなったり、文句を言いながらしたりする姿に戸惑う親もいるのではないでしょうか。実は、これらの姿は子どもたちの着実な成長の一過程です。子どもたちは、お手伝いよりも友達や兄弟と遊ぶことや、読書など自分の時間が楽しくなってきて、親から言いつけられるお手伝いは、楽しくないと感じるようになっているのです。
だからといって、嫌がる子どもにお手伝いをさせない方がいいかというとそうではありません。国の調査によるとお手伝いをよくする子どもはお手伝いをしない子どもより、とても正義感や道徳心が強い傾向があります。また、家族の一員として役割を与えられることで責任感が芽生え、どうやったら早くうまくできるか、要領を考え、工夫することができるようになります。さらに家族に感謝されることで人の役に立ててうれしくなり、自分に自信を持つようになります。そして、よく気が付き、すぐ行動に移せるようになります。
このように、子どもたちのより良い成長にお手伝いは欠かせないものです。子どもたちのお手伝いは時間がかかったり、親の思うように行動しなかったりするかもしれませんが、繰り返し伝えて、お手伝いをさせ、体に覚えさせること。これは、子どもと切っても切れない縁で結ばれている親にしかできないことではないでしょうか。
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