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玄海東小学校の5年生が高度衛生管理型荷さばき所を見学しました
2023年11月8日更新育む
9月26日、社会科の授業で玄海東小学校の5年生18人が、宗像市高度衛生管理型荷さばき所と鐘の岬活魚センターを見学しました。
令和5年4月から供用開始した宗像市高度衛生管理型荷さばき所では、とれた魚の陸揚げから出荷までを行います。福岡県内で2例目の施設です。荷さばき所では、とれたての魚の鮮度を保つために、シャーベットアイス製氷機や殺菌冷海水を使用し、高度な衛生管理を行っています。
鐘崎漁協の協力のもと、児童たちが、地域の漁場で働く人々が良質な魚を消費者に届ける工夫や努力について理解を深めることを目的に見学が行われました。
荷さばき所の案内役を鐘崎漁協の中川さんが務め、施設の設備や役割について教えてくれました。この施設では、とれたばかりの新鮮な魚を漁船から陸揚げし、選別と運送車への積み込み作業等を行います。とれた魚は、漁船から大きな網を使ってベルトコンベヤーに乗せられ、荷さばき所に流れるように運ばれて行きます。この日、漁で主にとれた魚はヤズ。大きさは50cmほどで70cmを超えるものはブリと呼ばれます。児童たちは興奮冷めやらぬ様子で、目の前の魚が陸揚げされる様子を見ていました。
ベルトコンベヤー上で、魚は種別と大きさで選別されます。熟練の作業者たちが、素早く正確に魚を選別し、氷と一緒に箱詰めされ、運送車に積み込まれます。
児童たちは説明に熱心に耳を傾け、メモを取ったり、中川さんや漁協の人に「どんな魚がとれますか?」と興味津々で質問をしたり、「イカ釣りに行ったことがあるよ!」体験談を話したりしていました。
荷さばき所内に案内された児童たちは、魚の鮮度を保つ氷「シャーベットアイス」の説明を受けました。シャーベットアイスは名前のとおりシャーベット状の氷です。特徴としては、シャーベット状の、細かく柔らかい氷で冷却することで、魚の体を傷つけずに鮮度を保つことができます。
児童から「氷は何度ですか?」という質問に中川さんが、「海水で作っているから0度以下の、とても冷たい氷ができるんだよ」と答えていました。魚の鮮度を保つのに氷の質と温度はとても重要だそうです。
シャーベットアイスを実際に触ることができました。まだ暑い日が続いていることもあって、児童たちは何度もシャーベットアイスの箱に手を入れて、冷たさを実感していました。
続いて、シャーベットアイスを作る設備がある機械室に行きました。
機械室には、ポンプで汲み上げた海水から殺菌冷海水を作る装置とシャーベットアイスを作る製氷器があります。ここでは、シャーベットアイスの温度管理や作る量の調節をしているそうです。1日40トンのシャーベットアイスを作ることができます。
鐘の岬活魚センター
次に、鐘の岬活魚センターを見学しました。ここでは、とれた魚を生簀(いけす)に泳がせて販売しています。児童たちは、興味深そうに生簀の魚を観察していました。また、鐘の岬活魚センターの竹浦さんに「生簀にはどんな魚がいますか?」など質問をしていました。
竹浦さんのお話では、生簀にはフグ、アオハタ、タイ、ヤズ、ヒラゴがいるそうです。(9月26日現在)
その日食べきれなかったお刺身は、しょう油で漬(づ)けにすると身がしまって、翌日もおいしく食べられることも教えてもらいました。
活魚センターでは注文が入った魚は活け締めし、三枚おろしにするなどの加工もしています。職人の田村さんがアナゴをさばく様子を、目の前で見学することもできました。活け締めをしても動いているアナゴを見た児童たちは、その生命力の強さにとても驚き、感心している様子でした。
玄海東小学校は鐘崎漁港に近い場所にあり、児童たちは給食にでた魚の名前が分かるぐらい、水産物は身近な存在です。今回の見学をとおして、とれたての魚が陸揚げされる様子や、現場で働く人たちのチームワークや、生産性を高めようと努力する姿、魚を新鮮な状態で消費地に届ける工夫を学ぶことができたと思います。きっと、貴重な体験になったでしょうね。