大島学園の児童がガラス工房で「祈り星」作りを体験

大島学園の3、4年生は、「総合的な学習の時間」で、「大島の貴重な資源」への認識を深めることを目的とした学習を行っています。大島の特産品には、甘夏やアカモク等がありますが、今年は、児童たちの希望で「大島の塩」を探究することになり、授業の中で塩を手作りしました。
この塩にちなんで、2月21日に大島学園の3、4年生8名が市内にある吹きガラス工房「粋工房」でガラス工芸の体験学習をしました。児童たちは、大島の塩を使ったガラスで宗像大島のパワーストーン「祈り星」作りに挑戦します。（祈り星については、「祈り星」公式HP（外部サイト）をご覧ください。）
粋工房で使う塩化ナトリウムは、宗像「沖ノ島」沖で汲み上げて煮詰め、天日で干し上げた天然の「大島の塩」です。大島の塩に含まれる塩化ナトリウムにより、赤い発色になるそうです。これを使い、朱色のガラス「沖ノ島朱（あか）」を制作しています。

吹きガラス工房「粋工房」は、国道495号線垂水（たるみ）峠途中ロイヤルホテル宗像から車で5分の場所にあります。性質の違う数種類の色ガラスを重ね合わせて作る、福岡県知事指定特産民芸品「福岡積層工芸硝子」の技術を継承し「博多びーどろ」というブランドのガラス製品の製造、販売しています。
本社横にある工房では、吹きガラス体験、とんぼ玉体験、ガラス風鈴絵付け体験、マドラー作り体験等のガラス工芸体験ができます。

児童たちは、ガラス職人の伊藤伸晃（のぶあき）さんと伊藤真由美（まゆみ）さんに祈り星の作り方を習って作業します。祈り星は、いくつかのガラスを重ね合わせ、接着したものを770度の電気炉で焼成します。
作業に取り掛かる前に、伸晃さんから粋工房で扱っているガラスのお話がありました。

粋工房には、大島の素材を使って独自に調合したガラスが3色あります。
沖ノ島近海の天然塩を調合した鮮やかな赤は「沖ノ島朱（あか）」。
大島の海岸の砂が調合された深い緑は「大島翡翠（ひすい）」。
アワビの貝殻を調合した澄んだ青は「金の岬天色（あお）」。
この3色は、市章の赤、緑、青をイメージした色だそうです。
祈り星は、作品の製造工程で出たガラスの端材を再利用して作ります。色も形も様々なガラスはとても綺麗です。

作り方を教わって、いよいよ祈り星作りを体験。伸晃さんの指導のもと、軍手を着けて慎重にガラスを選び取っていきます。

 ガラス選びに盛り上がりをみせる児童たち。側で真由美さんがガラスの選び方や種類を教えています。

濱尾先生も児童と一緒にガラス選び。みんなで制作を楽しんでいます。

ガラスを重ねて接着したものを電気炉に入れて焼成します。体験学習はここで終了です。焼成したガラスは冷ます期間が必要なので、完成品は後日受け取ります。どんな祈り星ができるか楽しみですね。

この後、伸晃さんが吹きガラスの技法を見せてくれました。溶鉱炉の熱気が広がった工房内は、夏のように暑いです。
吹きガラスは、約1250度の溶鉱炉でガラスを熱して柔らかくします。柔らかくなったガラスを吹き竿で息を吹いて膨らませたり、様々な道具を使ったりして作品を制作します。ガラス職人は、食器、アクセサリー、置物等の様々なガラス作品を作ることができます。

後日、完成した祈り星を持って、笑顔で写真撮影。
祈り星の完成品を見た児童たちは、「とてもきれい！」、「オリジナルのものを作れてうれしい」
「とても楽しかった！」 など作品を作り上げた達成感と出来栄えに大満足です。

3月14日（木曜日）に児童が「天の川」へ行き、願いを込めながら「オリジナル祈り星」を洗い清めました。

 吹きガラス工房「粋工房」

福岡県宗像市田野2331番地