更新日:2024年3月28日
学校や子どもたちを取り巻く社会環境の変化を受け、中学校単位の部活動は学校の垣根を越えて活動する地域クラブ活動に移行します。
市では子どもたちがスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保するため、部活動改革を推進。
多くの市民や大学、スポーツ団体の支援を受け、宗像ならではの取り組みを展開しています。ここでは、中学校部活動の現状やこれからの地域移行の計画について紹介します。
中学校「部活動」を取り巻く環境が変化。
市内には6つの中学校と1つの義務教育学校があり、放課後や休日を利用し、文化部で472人、運動部で1,489人の生徒が部活動に励んでいます(令和5年6月現在)。毎年、中学校体育大会や吹奏楽コンクールなどで優秀な成績を修めています。しかしながら、近年、やりたい部活動が中学校になかったり、部員数が少なくて活動ができなかったり、専門的な知識を持った指導者が見つからず望ましい指導を受けられないなど、部活動の継続が難しい状況も出てきています。一方、指導する教員においては、勤務時間外の指導が多く、休日の指導や大会引率などによる長時間勤務が課題となっていました。
このような中、令和4年度に国が部活動を地域クラブ活動に移行するという部活動改革の方針を提示。市では令和4年5月、部活動関係教員の代表者、市スポーツ協会、県教育委員会、市教育委員会の代表者に有識者の10人で構成する中学運動部活動改革検討協議会(現:中学校部活動改革推進協議会/会長=本多壮太郎福岡教育大学教授)を設置し、地域移行に向けてのスケジュールや必要な受け皿クラブ数などの方針を策定。また、その下部組織に「運動部活動改革検討協議会ワーキング会議」を設け、現場指導者などが集い具体的計画づくりや調査研究を行ってきました。
その後、市文化協会、市PTA連合会の代表者も同協議会に加わり
- 段階的に部活の活動日を減らし順次地域クラブ活動に移行
- 既存の地域クラブに協力を呼びかけると共に新設地域クラブを立ち上げ受け皿環境を整備
- 令和9年9月までに地域移行
を完全実施することを決定しました。
地域の受け皿クラブの整備を進めています。
同協議会の方針に沿って、受け皿となる地域クラブの新設や運営について研究するため、令和4年度に「野球」「男子バスケットボール」「女子バスケットボール」の2種目、3クラブをモデルクラブとして新たに立ち上げ「運動部活動の地域移行に向けた実践研究」を開始。指導者や参加者(生徒)の意向調査を行い運営における成果や課題を整理。
令和5年9月には市が「むなかたアカデミー」を設置し地域移行が
スタート。運営は、ラグビーをはじめスポーツイベントの企画・運営や国際交流事業を通し、幅広い指導者ネットワークやスポーツ教室・クラブ運営の高いノウハウを持つ株式会社グローバルアリーナに委託。運動9種目での地域クラブ活動がスタート。
また、これまでの部活動の外部指導者や兼職兼業の許可を得た教員が中心となり「野球」「バレーボール」「サッカー」「陸上」の4種目を地域クラブとして新設しました。
令和5年度は、同アカデミーに225人、新設地域クラブに180人が所属。経験豊富な指導者が初心者から経験者までレベルに応じて子どもたちを丁寧に指導。参加者から「指導者が多くて練習の幅が増えた」「他校の人と出会えて良かった」などの声がありました。
文化部についても、地域クラブの新設を進めています。まず手始めに令和6年度から「むなかたアカデミークラブ・吹奏楽」を東海大学付属福岡高校と連携し開催。美術部や放送部など既存の文化部の受け皿となる地域クラブ活動については調整中です。
このほかにも、市内にはスポーツ・文化芸術活動を行う既存のクラブや団体が、部活動にない種目を含め多様な活動を活発に行っています。その中には中学生が参加できるクラブ・団体もあります。市では、これらのクラブ・団体の協力を得て「中学生も参加できるスポーツ・文化芸術活動団体リスト」として取りまとめ、市ホームページや学校を通して子どもたちや保護者にお知らせしています。また、活動団体の新規登録も募集しています。
生徒主体の多様なサークル活動の場を学校に確保します。
部活動の地域移行が完了した令和9年9月以降、学校では部活動に代わり対外試合を行わないサークル活動が誕生します。教員の勤務時間内に、週2日ほど実施する予定です。希望する生徒が多様なスポーツ・文化芸術活動を体験できます。
子どもたちが「ワクワク」するような地域クラブ活動づくりを。
中学校部活動改革推進協議会・会長福岡教育大学本多壮太郎教授
中学校部活動が始まって約70年。中学校部活動の地域移行は、前例がない、初めての取り組みです。モノづくりと異なり完成の形はありません。
産・学・官・民の知恵を出し合い、試行を重ね、宗像に見合ったシステムづくりが必要です。そして、時代や社会情勢を踏まえ変貌することも必要です。忘れてはいけないのは、子どもたちファーストであること。スポーツや文化芸術活動に継続して親しむ、チャレンジする機会の確保に努め、生徒の自主的で多様な学びの場であった中学校部活動の教育的意義を継承するだけではなく、それ以上に発展させること。
学校+地域クラブ+地域住民や民間企業の連携を進め「地域の子どもたちは学校を含めた地域で育てる」。部活の地域移行は、学校と社会、家庭の3者をまたぎ、コミュニティスクールにも結びつく新たな教育の場となる可能性を秘めています。人財(材)豊富な宗像だからできる「スポーツ・文化芸術活動」を実現させ、在学中やこれから中学生になる子どもたちが、ワクワクする地域クラブ活動づくりができるのでは、と期待しています。
問い合わせ先
部活動の地域移行計画に関すること
学校整備プロジェクト室
電話番号:0940-36- 9610
地域クラブ活動の整備に関すること
文化スポーツ課
電話番号:0940-36- 1540
関連リンク
このページに関する問い合わせ先
教育部 教育政策課
場所:市役所本館3階
電話番号:
教育総務係:0940-36-5099
学校整備プロジェクト室:0940-36-9610
地域教育連携室:0940-36-1169
ファクス番号:0940-37-1525
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